「小説家になろう」で自身の作品を投稿している人の中には「書籍化されたい!」と思っている人も多いのではないでしょうか。
しかしそんなときに気になるのが書籍化の基準や条件。
「書籍化される作品の条件は?」
「どんな作品が選ばれるの?」
「書籍化されるためのポイント数や文字数の目安はどれくらい?」
といったように思っている人も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回はそんな人向けに小説家になろうの書籍化の基準や条件を紹介します。
ぜひ参考にしてください。
小説家になろうの書籍化の基準
小説家になろうで書籍化されるには出版社の編集者の目に留まり、書籍化しませんか?という打診がきて~という流れが一般的です。
では出版社の人はどのように書籍化する作品を決めているかというと、その基準は大きく分けて以下の4つになります。
- ポイント数
- 文字数
- クオリティ
- ジャンル
今から1つずつ解説していきます。
ポイント数
小説家になろうにはブックマークや作品に対する評価としてポイント制度を導入しています。
そしてこのポイントが高い作品ほどそれだけ面白い、皆が見ている作品だということになります。
そのため小説家になろうではこのポイント数がユーザーの指標になっているわけであり、編集者もこのポイントを参考に書籍化する作品を定めています。
そしてそこで気になるのが「どれくらいポイント数があれば書籍化されるのか?」という点ですよね。
これについては小説家になろうユーザーの方が独自で分析した結果を綴っています。
『なろう5000位まで』(http://www.nyanpass.jp/narou5000/)を見るに、顕著に書籍化率が上がるのは、4万pt(累計300位)ぐらいからに見えます。
2万ptぐらいだと、書籍化は7~10作に1作ぐらいですかね。
もしレーベルさんからのスカウトなんてものがあるんだとしたら、4万ptぐらいからじゃないでしょうか。
とある作家先生の見立てによると、なろうポイントの半分ぐらいが、書籍化した時の実売部数になる傾向にあるそうです。
2万ptなら1万部ぐらい売れる、と考えると、一応は商業に耐えうる出来なのかなという気はしてきます。
問題だらけ穴だらけだけど、それなり多くの読者さんが楽しめる代物にはなっている、という狙った通りの結果が出てくれている感じでしょうか。
ちなみに、ラノベが1万刷って7000部売れればペイライン(赤字にならない)と考えると、15,000ptぐらいからワンチャンありかもしれません。
まあ、ここ最近でなろうの登録者数が顕著にインフレしているので、実際にはもうちょっと厳しいかもしれませんが。
引用元:なろうのポイントと書籍化
こちらの方の分析によると累計4万ポイントから書籍化する作品が多くなってくるとのこと。
当然ながら4万ポイント未満でもなろうから書籍化した作品はありますが、これまで書籍化された中では稀な方でしょう。
実際に2万ポイントでは7~10作品に1つという結果も書かれていますし、ポイント数が少なければそれだけ作品数も増えるため更に分母は大きくなるため書籍化される可能性は低くなるでしょう。
そのためこれを参考にすると小説家になろうで書籍化されるポイント数の基準は
- 1万ポイント以上2万ポイント未満:この段階では書籍化の声はかかる可能性は低いけれど、出版社から目をつけられている可能性は十分にある
- 2万ポイント以上4万ポイント未満:場合によっては書籍化の声がかかる可能性はある
- 4万ポイント以上:遅かれ早かれ出版社から声がかかるだろう
といった感じではないでしょうか。
なので書籍化を目指している人は累計4万ポイントを目標にするといいでしょう。
ちなみに小説家になろうで累計一万ポイント以上ある作品は全体で約0.5%というデータもありました。
0.5%という数字はかなり低いですが、その中から更に書籍化できるかどうかの壁があるわけですからね。
近年では小説家になろうから書籍化される作品が多く、傍から見たら
「書籍化なんて簡単だろう」
「いずれは自分の作品も書籍化されるかも」
なんて思ってしまいがちですが、実際は書籍化される作品は小説家になろうの中でもごく少数で、とても高いハードルだということが分かります。
文字数
小説家になろうから書籍化するには文字数も大切になってきます。
こちらについても分かりやすく説明されている方がいましたので貼っておきます。
例えば毎日欠かさず更新したとして一月で三十話。小説一冊分が十万文字で一話三千文字だとするとだいたいですが、一月で商業ライトノベル一冊分に相当する物語が出来上がります。
ですが、ここまで書いたところで書籍化のお誘いは来ません。PVがどうとかポイントがどうとかの話ではなく、単純に話数が少ないためです。
書き溜めがあったところで未発表の内容には評価のつきようがなく、出版社も判断しづらいでしょう。
ですから、二冊分、三冊分と作品を発表し続ける必要があります。
二冊目相当でお声がかかればおよそ二ヶ月、
三冊目で打診されたのならば三ヶ月と少し。
毎日毎話投稿し続ける生活をすくなくともこれだけこなしていかなければいけません。
引用元:このサイトからデビュー出来る人が持っているのは才能でもなく努力でもなく時間と熱意
こちらの方が書いているように小説家になろうから書籍化するためには何冊分にもなるほどの文字数が必要になってきます。
というのも内容を評価しづらいというのもそうですし、その他にも
- 文字数が多いほどそれだけ沢山の巻数が出せる=1回の書籍化でそれだけ売り上げが上がる見込みがある
- 先に下地が出来ているため、書籍化する際に一から考える必要がないため手間が省ける
- 先に下地が出来ているため、先の展開に詰まって筆が折れたり執筆速度が遅くなる心配も少ない
といったように文字数が多ければそれだけ出版社からしたら都合が良くなります。
実際になろうから書籍化された作品のほとんどは、書籍化の声がかかる段階で単行本5,6巻文などある程度の文字数を書いていることが多いです。
また書籍化されてからも人気作のほとんどは10巻に到達する勢い、もしくはそれを突破するほどシリーズが続いています。
これは週刊漫画で人気がある作品を書いている作者が、やめたくても編集者からやめないでくれと引き延ばされる事情に似ています。
それだけ人気があって沢山巻数が出せる見込みがある作品は出版社からしたら魅力的なもの。
そのため文字数に関してははっきりとした基準はありませんが、4,5巻分(約4,50万文字)書いたあたりから徐々に書籍化の声がかかる現実が見えてくるといったところではないでしょうか。
クオリティ
小説家になろうから書籍化されるには作品のクオリティも大切です。
ただクオリティに関しては面白いと思ったらポイントで評価されますし、書籍化されるほどクオリティの高い作品はある程度書いていけば自然とポイントはついてきます。
またこうしてポイント制度があるわけですのでなろうではクオリティの高い=ポイントが高いということになります。
なので小説家になろうほど作品が膨大にある中で面白い作品を探すとなるとまずはクオリティよりもポイントで判断せざるを得ません。
そのため極端の話を言えばどれだけクオリティの高い作品でもポイントがついていないと出版社の人から中身を読んでもらう可能性は低くなりますし、逆にクオリティが低くてもポイント数が多ければ出版社の人の目に留まりやすくなります。
そのため作品のクオリティについては書籍化の基準というよりかは書籍化されるために必要なことと考えた方がいいでしょう。
上でも書いたようにクオリティが高ければそれだけポイントは集まりやすくなりますが、あくまでも書籍化の基準や判断はポイント数の方が優先順位は高いと言えます。
ジャンル
小説家になろうから書籍化されるためにはジャンルも影響してきます。
小説家になろうでは異世界転生、スローライフ、追放など常に今流行りのジャンルというものがあります。
こういった流行りのジャンルはなろうの中でも圧倒的にポイントがつきやすい傾向にあるため、出版社の人の目に留まる可能性も高くなります。
また書籍化した際にも流行りのジャンルというだけで売り上げが他ジャンルよりも高くなる傾向にあります。
実際に流行りのジャンルに絞って書籍化する作品を定める場合もあるようです。
そのため「同じポイント数であまり流行っていないジャンルと流行りのジャンルでは後者の方が書籍化の声がかかりやすい」とは言えますが、こちらも作品のクオリティのように書籍化の基準としては優先順位は低く、書籍化されるにあたっていくらか影響がある要素の程度だと言えます。
まとめ
というわけで今回書いた小説家になろうの書籍化の基準についてまとめると、
- ポイント数
- 文字数
- クオリティ
- ジャンル
の4つが書籍化の基準として挙げられ、その中でもポイント数と文字数が重要。
ポイント数は4万ポイント、文字数は50万文字ほどを目標にするといいだろう。
といった感じですね。
そのため小説家になろうで書籍化を目指している人はとにかく書いて書いて書きまくるしかないと言えます。
作品が面白ければ書いていくうちに後からポイントはついてきますし、なろうでは途中でエタる人が多いため
- 沢山書ける
- 文字数が多い
- 更新が多い
というだけで評価されますからね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。