気付かないうちに伏線を張りめぐらせ、終盤に近づくにつれてそれらを鮮やかに回収していく映画はパズルのピースがはまっていくように気持ちが良いもの。
今回はそんな伏線回収が秀逸な日本の映画(邦画)のおすすめを紹介します。
目次
伏線が秀逸な日本の映画のおすすめ
サマータイムマシン・ブルース
あらすじ
とある大学のSF研究会の部室には、前日にクーラーのリモコンが壊れ、猛暑に悩む部員たちがいた。
ところが彼らは部屋の隅にタイムマシンがあることを発見、「昨日に戻ってリモコンを取ってこよう」ということになり、乗り込んでみるが……。
キャスト・スタッフ
【キャスト】
瑛太、上野樹里、与座嘉秋、川岡大次郎、ムロツヨシ
【スタッフ】
監督:本広克行
感想・評価
SF研究会の部員たちが、部室のクーラーのリモコンが壊れたことによって部屋の隅にあったタイムマシンで壊れる前のリモコンを取ってくるお話。
過去を遡るタイムトラベル作品なのですが、目的が目的ですし、SF研メンバーのおバカな発想と無駄にあり過ぎる躍動感などから笑って楽しめる青春コメディーな一面もあります。
しかし最初から張られていた伏線をエンディングにつれて回収していく様は気持ちよく、しっかりと伏線回収が秀逸な作品に仕上がっています。
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フィッシュストーリー
あらすじ
1975年、鳴かず飛ばずのパンクバンド“逆鱗”のメンバー4人(伊藤敦史、高良健吾、渋川清彦、大川内利充)は、解散前最後のレコーディングに挑んでいた。
そしてときは超え、地球の滅亡まで数時間に迫った2012年、営業を続ける一軒のレコード店から“逆鱗”のあの一曲、「FISH STORY」が流れ始め……。
キャスト・スタッフ
【キャスト】
伊藤淳史、高良健吾、多部未華子、濱田 岳、森山未來、大森南朋、渋川清彦、大川内利充、眞島秀和、江口のりこ、山中 崇、波岡一喜、高橋真唯、石丸謙二郎
【スタッフ】
監督:中村義洋
感想・評価
地球滅亡あと5時間まで迫った状況が舞台のお話。
最初は複数の時代の物語が同時並行的に流れるので「なんだこれ?」と思うかもしれませんが、終盤になってそれらのストーリーが一気に繋がり、スカッとしたエンディングを迎えます。
最初は意味不明な言動も最後には意味を持ち、それらの巧妙な伏線をしっかりと回収する様は爽快です。
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カメラを止めるな
あらすじ
とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。
本物を求める監督は中々OKを出さずテイクは42テイクに達する。
そんな中、撮影隊に本物のゾンビが襲いかかる! 大喜びで撮影を続ける監督、次々とゾンビ化していく撮影隊の面々。
“37分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル! “―――を撮ったヤツらの話。
キャスト・スタッフ
【キャスト】
濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、長屋和彰、細井学、市原洋、山﨑俊太郎、大沢真一郎、竹原芳子、浅森咲希奈、吉田美紀、合田純奈、秋山ゆずき
【スタッフ】
監督・脚本・編集 :上田慎一郎
主題歌:「Keep Rolling」歌:謙遜ラヴァーズ feat.山本真由美
感想・評価
2018年に巷で話題になった作品ですので、名前だけは聞いたことがある人も多いと思います。
ネタバレになってしまうのであまり多くは語りませんが、「怒涛の展開!」「秀逸な伏線回収!」などと称賛されていたこの作品はどのような展開を迎えるのか、ぜひその目で確かめてみてください。
悪夢のエレベーター
あらすじ
エレベーターに閉じ込められてしまった何だかワケあり気な男女4人。
助けを呼ぶ手段のない非常事態。絶対関わりたくないメンバー同士がエレベーターに閉じ込められた。
しかし、なぜかお互いの秘密を暴露しあっていくことに!?
そして、閉ざされた空間の中、ある“謎”に気が付いたとき、遂に悪夢のような事件が起きる!
しかし、扉の外では更なる悪夢が待ち受けていることを、誰も知る由はなかった――。
キャスト・スタッフ
【キャスト】
内野聖陽、佐津川愛美、モト冬樹、斉藤工、大堀こういち、芦名星、本上まなみ
【スタッフ】
監督:堀部圭亮
原作:木下半太「悪夢のエレベーター」
脚本:堀部圭亮、鈴木謙一
主題歌:タカチャ「AIO~愛をください~」
感想・評価
止まってしまったエレベーターの中という閉じ込められた空間でそれぞれワケありな4人によって話が展開していきます。
なぜエレベーターは止まり、また動き出したのか?
全く読めない展開が続きながらもそこかしこに伏線が張られ、最後には意外な結末を迎えます。
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運命じゃない人
あらすじ
典型的ないい人・宮田(中村靖日)をはがゆく思っていた私立探偵の神田(山中聡)は、いつまでも前の彼女のことを引きずっている宮田のために、レストランで1人で寂しそうに食事をしている女性(霧島れいか)に声をかけるが……。
キャスト・スタッフ
【キャスト】
中村靖日、霧島れいか、山中聡、山下規介、板谷由夏
【スタッフ】
監督:内田けんじ
感想・評価
彼女にふられた平凡なサラリーマンが体験する一夜の物語を、彼を取り巻く様々な人物の視点から描いた作品。
見始めた時は何が起きてるかよく分からなくとも、物語が進んで人物の視点が変わっていくうちに見えなかった部分がシンクロしてパズルのようにはまっていく様はまさに群像劇と言わんばかりです。
群像劇作品は基本的に視点が次々変わりますし、時系列をバラバラにしてあえて視聴者を困惑させるような演出も多く、この作品もその例外ではないのですが、こちらは全体的に雰囲気がゆるいのでそれほど頭を使わずとも楽しめますので、「なんか面白い映画を気軽に見たい」という時にうってつけです。
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アフタースクール
あらすじ
母校の中学校で働く人のよい教師・神野(大泉洋)の元に、かつての同級生だと名乗る怪しい探偵・北沢(佐々木蔵之介)が訪ねてくる。
北沢は神野の親友で同じく同級生、現在は一流企業に勤めるサラリーマン・木村(堺雅人)の行方を追っていた。
心ならずも神野は木村探しに巻き込まれてしまう・・・。
人を疑うことを知らない男と、人の裏側ばかりを見てきた男。
ちぐはぐコンビの捜査活動から、神野の知らなかった、友人・木村の一面が次々と明らかになり、物語は思いもよらぬ方向へと向かっていく・・・
キャスト・スタッフ
【キャスト】
大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人、常盤貴子、田畑智子
【スタッフ】
脚本・監督:内田けんじ
撮影:柴崎幸三
編集:普嶋信一
音楽:羽岡佳
主題歌:「あの透明感と少年」/monobright(DefStar Records)
感想・評価
先ほど紹介した「運命じゃない人」と同様に内田けんじ監督の作品で、本作は人のよい中学校教師があやしげな探偵の登場によりかつての同級生探しに巻き込まれるというミステリーコメディ。
あらゆる部分に巧妙な伏線が張られ、後半になるにつれ引きこまれるストーリー展開が魅力です。
1回目の視聴を終えた後にすぐ2回目を見返すと、「ああっ!」と驚くことでしょう。
12人の優しい日本人
あらすじ
ある事件の審議のために12人の陪審員が集められた。
被告が若くて美人であることから、陪審員全員が無罪の決を出し、審議は早々に終了するかに見えた。
しかし、陪審員2号が無罪の根拠を一人一人に問いただし始めたところから、審議の様相が混迷を呈していく。
彼らは果たして「真実」に辿り着けるのだろうか…。
キャスト・スタッフ
【キャスト】
塩見三省、相島一之、松村克己、林美智子、豊川悦司
【スタッフ】
監督:中原俊
脚本:三谷幸喜と東京サンシャインボーイズ
感想・評価
日本が陪審員制度を導入する前の1991年に公開された、「もし陪審制が日本にあったらどんな議論が展開されるのか?」という陪審員制度をテーマにした法廷コメディ。
ストーリーは二転三転の捻りがあり、結論に導かれるまでに十二人がそれぞれ重要な役割を果たしていてヒントとなる意見を所々で言っているのですが、それがラスト近くで巧妙につながりあっていく過程は圧巻です。
公開はかなり前ですが今もなお色褪せない名作です。
まとめ
というわけで今回は伏線が秀逸な日本の映画を紹介しました。
気になった作品があったらぜひこれを機に見てみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。