1つの舞台や1つの物語を様々な登場人物の視点から描き、一見関係なさそうな物語が1つに繋がっていったり、いつの間にか張られていた伏線を後から一気に回収していく様が魅力的な群像劇。

グランドホテル方式、群集劇とも呼ばれますね。

今回はそんな群像劇をテーマにした日本の映画(邦画)のおすすめを紹介します。

 

日本の群像劇映画おすすめ

運命じゃない人

あらすじ

典型的ないい人・宮田(中村靖日)をはがゆく思っていた私立探偵の神田(山中聡)は、いつまでも前の彼女のことを引きずっている宮田のために、レストランで1人で寂しそうに食事をしている女性(霧島れいか)に声をかけるが……。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

中村靖日、霧島れいか、山中聡、山下規介、板谷由夏

 

【スタッフ】

監督:内田けんじ

 

感想・評価

彼女にふられた平凡なサラリーマンが体験する一夜の物語を、彼を取り巻く様々な人物の視点から描いた作品。

見始めた時は何が起きてるかよく分からなくとも、物語が進んで人物の視点が変わっていくうちに見えなかった部分がシンクロしてパズルのようにはまっていく様はまさに群像劇と言わんばかりです。

群像劇作品は基本的に視点が次々変わりますし、時系列をバラバラにしてあえて視聴者を困惑させるような演出も多く、この作品もその例外ではないのですが、こちらは全体的に雰囲気がゆるいのでそれほど頭を使わずとも楽しめますので、「なんか面白い映画を気軽に見たい」という時にうってつけです。

 

アフタースクール

あらすじ

母校の中学校で働く人のよい教師・神野(大泉洋)の元に、かつての同級生だと名乗る怪しい探偵・北沢(佐々木蔵之介)が訪ねてくる。

北沢は神野の親友で同じく同級生、現在は一流企業に勤めるサラリーマン・木村(堺雅人)の行方を追っていた。

心ならずも神野は木村探しに巻き込まれてしまう・・・。

人を疑うことを知らない男と、人の裏側ばかりを見てきた男。

ちぐはぐコンビの捜査活動から、神野の知らなかった、友人・木村の一面が次々と明らかになり、物語は思いもよらぬ方向へと向かっていく・・・

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人、常盤貴子、田畑智子

 

【スタッフ】

脚本・監督:内田けんじ

撮影:柴崎幸三

編集:普嶋信一

音楽:羽岡佳

主題歌:「あの透明感と少年」/monobright(DefStar Records)

 

感想・評価

先ほど紹介した「運命じゃない人」と同様に内田けんじ監督の作品で、今作は人のよい中学校教師があやしげな探偵の登場によりかつての同級生探しに巻き込まれるというミステリーコメディ。

あらゆる部分に巧妙な伏線が張られ、後半になるにつれ引きこまれるストーリー展開が魅力です。

1回目の視聴を終えた後にすぐ2回目を見返すと、「ああっ!」と驚くことでしょう。

 

フィッシュストーリー

あらすじ

1975年、鳴かず飛ばずのパンクバンド“逆鱗”のメンバー4人(伊藤敦史、高良健吾、渋川清彦、大川内利充)は、解散前最後のレコーディングに挑んでいた。

そしてときは超え、地球の滅亡まで数時間に迫った2012年、営業を続ける一軒のレコード店から“逆鱗”のあの一曲、「FISH STORY」が流れ始め……。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

伊藤淳史、高良健吾、多部未華子、濱田 岳、森山未來、大森南朋、渋川清彦、大川内利充、眞島秀和、江口のりこ、山中 崇、波岡一喜、高橋真唯、石丸謙二郎

 

【スタッフ】

監督:中村義洋

 

感想・評価

地球滅亡あと5時間まで迫った状況が舞台のお話。

最初は複数の時代の物語が同時並行的に流れるので「なんだこれ?」と思うかもしれませんが、終盤になってそれらのストーリーが一気に繋がり、スカッとしたエンディングを迎えます。

最初は意味不明な言動も最後には意味を持ち、それらの巧妙な伏線をしっかりと回収する様は爽快です。 

 

シーサイドモーテル

あらすじ

人里離れた山奥にポツンと建つ「シーサイドモーテル」。

インチキなクリームを扱うセールスマン、亀田(生田斗真)が部屋にいると、呼んでもいないコールガールのキャンディ(麻生久美子)が現れる。

一方、別の部屋にいたギャンブラーの朝倉(山田孝之)と留衣(成海璃子)の元には相田(玉山鉄二)が借金を取りにやって来て……。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

生田斗真、麻生久美子、山田孝之、玉山鉄二、成海璃子

 

【スタッフ】

監督:守屋健太郎

 

 

感想・評価

海もないのに“シーサイド”と名付けられた山奥のさびれたモーテルを舞台に、偶然居合わせたワケあり男女11人が4つの部屋で巻き起こす騙し合いをハイテンションかつエキサイティングに描いた群像劇。

それぞれの部屋で客人が紡ぐ物語を軽快なテンポで視点を切り替えながら結末へとスピーディーに加速していくのですが、客人たちの物語はどれも異質で、そんな客人たちの物語が時に交わり、思いもよらぬ方向へと進んでいくのが面白いです。

 

パレード

あらすじ

都内のマンションでルームシェアをする4人の男女は、様々な不安を抱えつつも怠惰な共同生活を満喫していたのだが…。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり、林遣都、小出恵介

 

【スタッフ】

監督: 行定勲

 

感想・評価

ルームシェアをする4人の男女のところに1人の男(サトル)が同居人として加わることになり、物語が展開していきます。

一見仲良さげに見える4人ですがサトルが加わったことによりそれぞれが持つ闇が徐々に浮き上がってきます。

全体的にゆるく話が進んでいくのですが、ミステリー要素も相まってどこか怠惰的で不気味な雰囲気に包まれており、衝撃のラストには何とも言えない後味の悪さと恐怖心を抱くでしょう。

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エイプリルフールズ

あらすじ

2015年4月1日エイプリルフール。1年に1度だけ嘘をついていい日。

この日、街は朝から様々な嘘で満ち溢れていた。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

戸田恵梨香、松坂桃李、ユースケ・サンタマリア、小澤征悦、菜々緒、戸次重幸、宍戸美和公、大和田伸也、寺島 進、高橋 努、浜辺美波、山口紗弥加、滝藤賢一、千葉真一、高嶋政伸、りりィ、岡田将生、生瀬勝久、小池栄子、千葉雅子、窪田正孝、矢野聖人、浦上晟周、木南晴夏、古田新太、富司純子、里見浩太朗

 

【スタッフ】

脚本:古沢良太

監督:石川淳一

 

感想・評価

4月1日、エイプリルフールの1日を舞台に様々な登場人物がそれぞれの目的や想いを胸にドタバタを繰り広げる笑って泣けるハートフルコメディ作品。

7つのエイプリルフールにまつわる「嘘」がテーマのエピソードをクロスオーバーさせながら、それぞれの物語の一見関係なさげな部分の伏線が絡み合い、やがて絶妙に回収されていく流れは気持ちがいいです。

7つの物語が展開するということで、総勢27名もの豪華キャストにも注目です。

 

THE 有頂天ホテル

あらすじ

大晦日を迎えた「ホテルアバンティ」では、ホテルの威信がかかった年越しカウントダウンパーティーの準備で大忙し。

そんな中でも副支配人の新堂平吉(役所広司)は、様々な問題に機転を利かせて対応するのだが……。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、篠原涼子

 

【スタッフ】

監督:三谷幸喜

 

 

感想・評価

大晦日のカウントダウンパーティーを控えたテルを舞台に、さまざまな問題を抱えたホテルマンやワケアリの宿泊客たちの運命が交錯していく様を描いた群像コメディ。

様々な問題が山積みの大晦日のホテルで、温厚で面倒見のいい副支配人が問題の解決に空回りしつつも取り組む姿が面白く、心温まる作品です。

 

桐島、部活やめるってよ

あらすじ

ありふれた時間が校舎に流れる「金曜日」の放課後。

1つだけ昨日までと違ったのは、学校内の誰もが認める“スター”桐島の退部のニュースが校内を駆け巡ったこと。

彼女さえも連絡がとれずその理由を知らされぬまま、退部に大きな影響を受けるバレーボール部の部員たちはもちろんのこと、

桐島と同様に学校内ヒエラルキーの“上”に属する生徒たち、そして直接的には桐島と関係のない“下”に属する生徒まで、 あらゆる部活、クラスの人間関係が静かに変化していく。

校内の人間関係に緊張感が張りつめる中、桐島に一番遠い存在だった“下”に属する映画部前田が動きだし、物語は思わぬ方向へ展開していく。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

神木隆之介、橋本愛、東出昌大、清水くるみ、山本美月、松岡茉優、落合モトキ、浅香航大、前野朋哉、高橋周平、鈴木伸之、榎本功、藤井武美、岩井秀人、奥村知史、太賀、大後寿々花

 

【スタッフ】

監督:吉田大八

原作:「桐島、部活やめるってよ」朝井リョウ(集英社文庫刊)

脚本:喜安浩平、吉田大八

主題歌:「陽はまた昇る」高橋優(ワーナーミュージック・ジャパン unBORDE)

 

感想・評価

原作、朝日リョウの小説を映画化した青春群像ドラマ。

陽キャ、陰キャ、一軍グループ、二軍グループ、三軍グループ、運動部、文化部、勉強が出来る、運動が出来る、彼氏彼女がいる、いないといったように学生時代には一度はクラスにおける自分や周りの立ち位置を気にしたことがあると思います。

この作品はそんなクラスや学校内のヒエラルキー、いわゆる「スクールカースト」をテーマに描かれており、学校内の人気者「桐島」がいなくなったことにより周囲の様々な立ち位置のメンバーがどのように動いていくのか目が離せません。

視聴している途中で「自分は○○と同じような立ち位置だったなあ」などと当時の自分と比べてあの頃の記憶が甦ってくるでしょう。

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まとめ

というわけで今回は日本の群像劇映画のおすすめを紹介しました。

気になる作品があったらこれを機にぜひ見てみてください。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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