重い内容や憂鬱とした暗い雰囲気、何が起こるか分からない不穏な空気などが特徴的なシリアス映画。

今回はそんなシリアスな日本の映画(邦画)のおすすめを紹介します。

 

シリアスな映画のおすすめ

怒り

あらすじ

八王子で起きた事件の現場には「怒」の文字が残され、事件から1年が経過しても未解決のままだった。

洋平(渡辺謙)と娘の愛子(宮崎あおい)が暮らす千葉の漁港で田代(松山ケンイチ)と名乗る青年が働き始め、やがて彼は愛子と恋仲になる。

洋平は娘の幸せを願うも前歴不詳の田代の素性に不安を抱いていた折り、ニュースで報じられる八王子の事件の続報に目が留まり……。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮﨑あおい、妻夫木聡

 

【スタッフ】

監督・脚本:李相日

原作:吉田修一(中央公論新社刊)

音楽:坂本龍一

主題曲:「許し」坂本龍一 feat. 2CELLOS

 

感想・評価

「身近な人が未解決事件の犯人なのではないか?」という疑念が生まれた状況から、人々が取る行動を通して弱さ、愚かさ、優しさなどの人の深層心理や他人を信じるということについて描かれた作品。

役者陣の白熱な演技力に本作のテーマや展開も相まって、気分が悪くなるほど生々しく、心が抉られます。

胸糞悪く、後味の悪い作品が見たいという人にはぴったりです。

 

そこのみにて光輝く

あらすじ

仕事を辞めて何もせずに生活していた達夫(綾野剛)は、パチンコ屋で気が荒いもののフレンドリーな青年、拓児(菅田将暉)と出会う。

拓児の住むバラックには、寝たきりの父親、かいがいしく世話をする母親、そして姉の千夏(池脇千鶴)がいた。

達夫と千夏は互いに思い合うようになり、ついに二人は結ばれる。ところがある日、達夫は千夏の衝撃的な事実を知り……。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉、高橋和也、火野正平、伊佐山ひろ子、田村泰二郎

 

【スタッフ】

監督:呉美保

脚本:高田亮

原作:佐藤泰志(河出書房新社刊)

 

感想・評価

貧困で過酷な家庭を生きる兄妹を描いた作品。

全体的に重く、暗い雰囲気が漂っている中で時折見せる兄妹の温かさに光を感じますが、それでも救いのない話です。

見ると気持ちが落ち込んでしまうので、「憂鬱な気分になりたい」という人におすすめです。

 

みなさん、さようなら

あらすじ

1981年、小学校を卒業した13歳の悟(濱田岳)は、担任教師の静止を振り切り団地の外へ一切出ずに生活していくことを宣言する。

才色兼備な隣人の松島(波瑠)にはその無謀な計画は鼻で笑われるが、彼は中学にも行かずに独自の信念に従った生活を確立していく。

母親のヒーさん(大塚寧々)は、そんなマイペースな息子の姿を優しく見守っていた。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

濱田岳、倉科カナ、永山絢斗、波瑠、安藤玉恵、志保、ナオミ・オルテガ、田中 圭、ベンガル、大塚寧々

 

【スタッフ】

監督:中村義洋

原作:久保寺健彦(「みなさん、さようなら」幻冬舎文庫)

脚本:林 民夫、中村義洋

主題歌:エレファントカシマシ「sweet memory」

 

感想・評価

「一生、団地の中だけで生きる」と決意した13歳の少年が、初恋も親友も就職も団地の中で済ませる様を描いた話。

団地で過ごす主人公の日常映画といわんばかりのゆるさがあり、今回紹介する他の作品に比べてそれほど重かったり、暗い内容ではありません。

しかしそのままお気楽に物語が進むわけではなく、主人公がなぜ団地を出て行かないのか?その理由を明かされる中盤から物語の見方が変わってきます。

 

散歩する侵略者

あらすじ

鳴海(長澤まさみ)の夫・真治(松田龍平)が、数日間行方をくらまし、別人のようになって帰ってくる。

これまでの態度が一変した夫に疑念を抱く鳴海は、突然真治から「地球を侵略しに来た」と告白され戸惑う。

一方、町ではある事件が起こったのを機に、さまざまな現象が発生し、不穏な空気が漂い始める。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

長澤まさみ、松田龍平、高杉真宙、恒松祐里、前田敦子、満島真之介、児嶋一哉

 

【スタッフ】

原作:前川知大「散歩する侵略者」

脚本:田中幸子 黒沢 清

音楽:林 祐介

監督:黒沢 清

 

感想・評価

宇宙人の侵略をテーマにした作品。

宇宙人との戦いを描くというよりは、無機質な宇宙人が次第に人間らしくなっていく様を見て、大切な何かを考えさせられる、そんな作品です。

終始スリリングでシリアスな雰囲気で物語が進みますが、所々で笑えたりシュールなところなど楽しいポイントもあります。

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リリイ・シュシュのすべて

あらすじ

ある地方都市、中学2年生の雄一(市原隼人)は、かつての親友だった星野(忍成修吾)やその仲間たちからイジメを受けるようになる。

そんな彼の唯一の救いはカリスマ的女性シンガー、リリイ・シュシュの歌だけであり、そのファンサイトを運営する彼は、いつしかネット上でひとりの人物と心を通わしていくが…。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

市原隼人、 忍成修吾、伊藤歩、岩井 俊二、大沢たかお

 

【スタッフ】

監督:岩井俊二

 

感想・評価

中学生のイメージと言えば初々しく甘酸っぱい青春を思い浮かべる人が多いかもしれません。

しかし実際の中学生はまだ未熟で多感な思春期ゆえに、意図せずに他人を平気で傷つけてしまったり、一方でちょっとしたことがきっかけで悪意ある言動を他人にぶつけることも珍しくありません。

今作ではそういった青春の裏にあるいじめや万引き、性に対する意識など思春期特有の残酷な感情をリアルに描いた作品です。

公開が2002年とかなり前ですが、今見ても今作で描かれる思春期特有の嫌な経験や雰囲気に共感する人も多いと思います。

描かれるテーマがテーマなだけに全体的に暗く、後味悪い作風になっているので、「憂鬱でやるせない気持ちになりたい」「中学生特有の陰湿とした人間関係を見たい」という人に今作はおすすめです。

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告白

あらすじ

とある中学校の1年B組、終業式後の雑然としたホームルームで、教壇に立つ担任の森口悠子(松たか子)が静かに語り出す。

その衝撃的な告白から物語は始まっていく……。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

松たか子、岡田将生、木村佳乃

 

【スタッフ】

監督・脚本:中島哲也

原作:湊かなえ「告白」(双葉社刊)

主題歌:Radiohead 「Last Flowers」

 

感想・評価

原作・湊かなえのベストセラー小説を映画化したもの。

学校を舞台に、いじめによって我が子を失った女教師が生徒たちに復讐する話。

子供相手とは容赦せず、生意気な少年達を懲らしめていく様は見ていてスカッとします。

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ミュージアム

あらすじ

現場に謎のメモが残される事件が矢継ぎ早に発生するが、その事件は雨が降る日のみ起こっていた。

一連の事件の関連性を察知した沢村久志刑事(小栗旬)は、自分の妻子が狙われていることを知る。

やがて、カエルのマスクをかぶったカエル男の存在が浮かび上がり、犯人に近づいていく沢村だったが、カエル男の仕組んだ罠にはめられ窮地に陥り……。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

小栗 旬、尾野真千子、野村周平、丸山智己、田畑智子、妻夫木 聡

 

【スタッフ】

原作:巴 亮介 『ミュージアム』(講談社「ヤングマガジン」刊)

監督:大友啓史

脚本:髙橋 泉、藤井清美、大友啓史

主題歌: ONE OK ROCK “Taking Off” (A-Sketch)

 

感想・評価

同名漫画の原作を実写化したカエルの覆面を被った「カエル男」と、それを追う警察組織を描いたサスペンスホラー作品。

終始嫌な雰囲気が漂っており、終盤の「カエル男」との直接対決は目が離せません。

「カエル男」を追う警官役の小栗旬や、「カエル男」演じる妻夫木聡などベテラン勢の熱演にも注目です。

 

ゆれる

あらすじ

東京でカメラマンとして成功している猛(オダギリジョー)は母の一周忌で帰省する。

彼は実家のガソリンスタンドを継いだ独身の兄の稔(香川照之)や、そこで働く幼なじみの智恵子(真木よう子)と再会し、3人で近くの渓谷に行くことにする。

猛が単独行動している間に、稔と渓谷にかかる吊り橋の上にいた智恵子が転落する。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀、新井浩文、真木よう子

 

【スタッフ】

監督:西川美和

 

感想・評価

幼馴染の智恵子が吊り橋から転落した件について容疑をかけられる兄と無実を信じたい弟の話。

兄弟間の複雑な心のゆれを繊細に表現されており、物語が進むにつれてシリアスでスリリングな展開が繰り広げられます。

兄弟がいる人にこそ見てほしい作品です。

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青の炎

あらすじ

秀一は湘南の高校に通う17歳。

女手ひとつで家計を担う母・友子と、妹の遥香の三人暮らし。

しかし、十年前に母が離婚した男・曾根が出現し、その平和な生活は壊される。

傍若無人に振る舞い、一日中飲んだくれ、母の体に手を出す曾根。

ついに妹にまで危険が及んだとき秀一の怒りは頂点に達した……。

 

キャスト・スタッフ

【キャスト】

二宮和也、松浦亜弥、鈴木 杏

 

【スタッフ】

監督・脚本:蜷川幸雄

原作:貴志祐介

脚本:宮脇卓也

 

感想・評価

家族を守るために一線を越えてしまった主人公が、自らの罪に苦悩して追い込まれていく姿を描くサスペンス映画。

話の内容は重く、全体的に暗いのですが、それでもどこか爽やかで切なく、見終った後は心が苦しくなる、そんな作品です。

主人公演じる若かりし頃の嵐の二宮和也の繊細な演技にも注目です。

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まとめ

というわけで今回はシリアスな日本の映画を紹介しました。

気になった作品があったらぜひこれを機に見てみてください。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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